道を歩く二人の間に赤や黄色がはらはらと落ちてくる。
風に吹かれていっぺんに、または自身の重さに耐え切れず。
足を止め、空を見上げた大神は思わずつぶやいた。

「秋ももう、終わりなんだな……。」

見上げた先にあった木は枝に葉を数枚残すのみで、何となく終わりの寂しさを感じさせた。

「でももう今日から12月だよ。」

大神につられて足を止めたレニの言葉に大神は苦味つぶした表情になった。

「そうなんだよな〜。
 こんなことならマフラーなんかしてくるんじゃ無かったよ。」

12月になったものの今日の気温は高く、冬というよりも秋というほうがぴったりくるぐらいの温度だった。
暑いと言いながらうなだれる大神を見て、レニは思わずくすっと笑った。
そしてレニも空を見上げる。
雲ひとつ無い真っ青な空に枝を広げる木々たち。
別のところにあるひとつふたつ葉が残っただけの木を見ると、やはりレニも冬よりも秋を感じた。

「秋が終わったら冬が来るよね………。」

レニは空を見上げたままぽつりと言った。

「そうだな…。」

大神も再び空を見上げ答えた。

二人にとって冬は特別な季節である。


『何とか公演準備の合間をぬって、レニのプレゼントを探しに行かないと。』

『公演が終わるまでにプレゼントを何にするか考えないと、隊長の誕生日までにプレゼントが用意できなくなってしまう。』


二人はただ黙って空を見上げていたが、考えていることは一緒だった。




「そろそろ行こうか。」

「うん。」

二人が歩き出したあとにどこからか運ばれてきた枯葉が道を埋めていく。

「今日の本読み、3時からだったよね。」

ふと思い出したようにレニが大神に尋ねた。

「ああ、2時までには台本が到着するはずだから、それを配ってからの開始になるよ。」

「了解。」

レニの質問に淡々と答えていた大神だが、返事を聞くと再び立ち止まりレニに手を差し向けた。

「でもそれまではもう少し時間があるから、ご飯を食べに行かないか?
 紅蘭が新しい洋食屋が近くに出来たって教えてくれたんだ。」

方目をつむって尋ねる大神にレニの表情は輝いた。

「うん。」

差し伸べられた手にレニが手を重ねると手をつないだまま歩き出した。

 もう少しだけふたりだけでいられる

その想いが歩く二人の表情をさらに幸せなものに変えていった。

なんだかほのぼの話。
お誕生日SSを書きたいなと思っていろいろ考えてたのですが、なぜかこうなってしまいました;;
う〜〜〜ん、プレゼントのことは考えてるけど誕生日SSとは言いがたいですよね /(-_-)\
もとネタ?は12月に入ったというのに小春日和かといいたくなるような気温のです、ハイ

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