1912(太正元)年、父ニャンと母スザンヌが駆け落ちし、二人が移り住んだ(ニャンの故郷である)ベトナム北部の農村で1914(太正三)年10月にコクリコは生まれた。
しかしその後、母スザンヌが失踪。
フランスに渡ったスザンヌを追い、欧州大戦の兵士に志願したニャンはコクリコと飼い猫ニャンニャンを市内のカトリック教会の孤児院に預け、渡欧。
二度とベトナムに帰ることはなかった。
コクリコが6歳となった1920(太正9)年に孤児院が閉鎖され親戚をたらいまわしにされていたコクリコは、ベトナムにやってきたサーカス「シルク・ド・ユーロ」団長ドニクールに才能を見出され、以後、過酷な扱いに耐えながらも一座とともに世界を旅して回ることになる。
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